飲んだり捕られたり
今日は、健康診断に行ってきた。
血液検査や内視鏡もやる本格的なものである。
病院で待たされるのは仕方がないことでして、順番を待ちながら胃カメラの時間がやってきた。
すると、「鼻からにしますか?口からにしますか?」などと聞いてくるではないか。
おいおい、そんなもの決められるわけないっしょ。
「カレーにしますか?うどんにしますか?」とは次元の異なる質問である。
選択権を与えるフリをしながら、実は患者の自己責任に転嫁する魂胆だな。
わしは考えた。
はて、どっちにしようか。鼻か口か。
機能を考えてみた。
口は、INの機能が大きい。そして、ときどき、飲みすぎたりするとOUTの機能も発揮する。
一方、鼻は、OUTのみの一方通行じゃないか。
それならば、人体の機能に従い、口を選ぶのが正解だろうと、口を選ばせていただいた。
麻酔も効いていたので、割とすんなり胃カメラを飲むことができた。
もっとも、鼻がどんなんかも知らないので、口が正解だったのかどうなのか不明である。このあたりも上手な手口だ。
んで、半日くらいの検診を終え、自宅ですこし休んだ後、出勤しようと車で出掛けたわけだ。
アパートの駐車場から車を出し、狭い路地を左に曲がって、さて、シートベルトしたろんと思ったその瞬間。
後ろにいたパトカーの赤いクルクルが「キュイーンッ」と甲高い音を立てて回った。
「はい、シートベルトしてませんでしたね」ってお巡りさん。
わしは、パトカーの後部座席に軟禁された。
「はい、ここに名前書いてね」とお巡りさん。
釈然としないまま従うわし。
だいたい、この町には、パトカーが多すぎるのだ。
人口は2万そこそこなのに、パトカーが5000台くらい走っているもの。
「中島さん、お名前の読み方教えてもらうかな」とお巡りさん。
「逆に聞きますけど、吾郎(ごろう)以外に、なんと読むつもりです?」とわし。
まだ、麻酔が少し効いていて朦朧としていたので、口も絶好調だ。
「えっと、それじゃ、印鑑持ってる?」とお巡りさん。
実は、丁度銀行に寄ろうと思っていたので、偶然だけど印鑑持ってたんだ。
だから、答えてやった。
「はい。いつシートベルトで捕まってもいいように、いつでも印鑑持ち歩いてるんですよ」って。
まったく、“踏んだり蹴ったり”ならぬ、“飲んだり捕られたり”な1日だったわい。
ま、人生プラスマイナス0。今日のマイナス分は、いつかプラスとなって返ってくるでしょう。楽しみ。
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