歸國~スーパースター
富良野GROUPロングラン公演 2010夏『歸國』観てきました(7回目)
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今夜は、何が何でも観に行かなきゃならなかった。
なぜなら、今夜の公演は、あのスーパースターが観に来るということだったから。
わしは昔からそのスーパースターが大好きで、中学校1年生のときに初めてギターを買ってもらったのも、そのスーパースターへの憧れからである。
当時弾いていたのは、主に『とんぼ』や『しゃぼん玉』で、今思うと実にシンプルで簡単なギターコード進行だけれども、得意になってヘタクソに掻き鳴らしていたものだ。
ライブにも何度も足を運んだ。
わしが初めて行ったコンサートは、父親に連れて行ってもらった浜松アリーナの「『昭和』ツアー」だった。いまでもはっきりと覚えている。
その後も、横浜アリーナ、日本武道館、東京ドームにも行った。昨年末には静岡文化会館にも行った。そして、極めつけは、鹿児島・桜島で行われたオールナイトライブにも参戦した。
つまり、大好きなのである。そんなスーパースターと一緒に、これまた大好きな『歸國』を観ることができるなんて、夢のような話じゃないか。
お芝居は19時半開演なので、いつもは10分前ぐらいに会場に着くんだけど、今日はなんと40分も前に到着し、開場時間まで並んだりして。
19時に開場し、わしが選んで座った座席は「H列15」。
いつもより多いお客さんが来ていて、客席はみるみるうちに埋まっていく。
開演時間直前、ついに、あのスーパースターが姿を現した。
客席の一部の人間がその存在、というか、オーラに反応し、場内の空気が一気にピンと張り詰める。
そして、スーパースターは用意されていた「G列14」に腰をおろす。
ぬをぉぉぉ!斜め前!!
わしとそのスーパースターが、これまででもっとも近づいた瞬間だ。
ライブ会場では、数十メートルも離れたステージの上でパフォーマンスを繰り広げる姿しか観ることができなかった。
桜島オールナイトライブの会場にいたっては、数十メートルどころか、ステージは百メートル以上離れていた。
それが、まさに目の前、手の届くところにいる。
心臓がドキドキした。
不思議な感覚だった。好きな女の子に電話する直前のように、心臓がドキドキしていた。
そのあとは、スーパースターが体を動かせるたびに凝視してしまっていた(役者陣には申し訳ないが、今日は許してください)
開演直前には、ちゃんとポケットの携帯電話の電源OFFを確認する姿も、なんだか妙に格好いいのがスーパースターならではのことだろう。
そして、芝居もとっても面白かったんだ。
スーパースターが来ているからなのかどうかは分からないけれど、今回のロングランも中盤を迎えて、芝居が躍動してきた感じがして、とっても面白かった。7回目にも関わらず新鮮で刺激的だった。
サッカーの試合で例えると、前半は様子を見ながらの停滞気味の攻防であったが、後半開始から一気に試合が動き始めるような、そんな感じ。
そんなこんなで、スーパースターとの夢の共有時間は終わりを迎えた。
ま、冷静に思うと、この距離がわしにとっては精一杯だ。これ以上近づいたら、きっとどうにかなってしまうと思う。
会話するなんて、トンデモナイ。無理無理。心臓止まる。
・・・何かの間違いで、すごく仲良くなって、なんでも話せる間柄になったとしても、絶対に言えないことがある。口に出しちゃいけないことがある。
それは、わしが、そのスーパースターの名曲中の名曲である『乾杯』をギターで弾き語るのが、高校のとき以来の持ちネタであるということだ。
「え?『乾杯』の弾き語りが何がいけないの?」と思われるだろう。
『乾杯』の弾き語り自体には問題ないのだ。むしろ、あんな名曲を歌い継ぐことはよいことでさえある。
弾き語るときの姿格好がよろしくないのだ。
なぜかというと、全裸だから。
ギターという楽器は不思議なもので、全裸の状態で演奏しても、大事な部分は見えないのだ。まったく、誰が考案したんだろう。
これがハーモニカだとすると全く困ってしまう。全裸の状態でハーモニカを演奏している姿など、想像するだけでひっくり返ってしまう。
わしは、この「フルチンギター」なる芸を高校時代に発明し、天才ギター少年の名を欲しいがままに頂いた。
その後、数々の結婚披露宴でも披露し、ほんの一握りの喝采と、圧倒的多数のヒンシュクを浴びてきた。
これだけは言えない。口が裂けても言えない。
わしも今年で33歳。この芸は封印した(はず)。
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